2007年 02月 26日
「それにしても、大事に至らなくて良かったです」
「あたし、なっきーのコト、すっごく心配したんだよぉ!」 「だから、その呼び名は止めてと!」 …翌週。 幸いなことに、那月のケガはたいしたことなく、すぐに退院。 大事を取って病院に行っただけ、ということらしい。 「とはいえ、基礎体力の低下は免れませんわね」 霧子が、少し暗い表情を浮かべる。 「うむ。だが、悪いことばかり言っていてもしょうがない」 「そうですわ」 美冬の言葉に対して、那月が言葉をつなぐ。 「たしかに回復力は落ちましたけど、その分体力や筋力を上げて対応すればいいだけのこと。ターニャの攻撃力を頼っていた今までと違って、今後は筋力増強も必要だと思っていたところですわ」 「ふむ」 あくまで自信満々に、笑みを見せる那月。 「一度落とすところを落としてから上げるのも、クールなやり方ですわ」 「でも…」 「なんですの、ソフィー」 ソフィーが心配そうな表情で、那月を見つめる。 「もしシングル…それもシングル2になれば、当然、相手は今までより手ごわく…そして、大きくなります」 「……」 「これから上に行くほど、戦う相手は祐希子選手や市ヶ谷選手、龍子選手に理沙子選手といった一流どころの選手ばかりになります。技術も、力も、そして身体の大きさも…」 「それがどうかしまして?」 少しムッとした表情でソフィーを睨みつける那月。 「今までの那月さんなら、強靭な回復力がありました。そのためにケガもせずに来れました。…ですが、今のケガがクセになりつつある那月さんに、より体力を消耗するシングル2は危険だと思います」 「…バカにしないでくれます?」 「別に、那月さんのことをバカにしているわけじゃありません! ただ、私だって、すでに2回もケガしていますし…シングル2の相手は、それほど大きく強い人ばかりで」 「もう十分ですわ」 「でも…」 「身体が大きくなければ、生まれもっての才能が無ければエースになれない? そんな言葉は、もう聞き飽きてますわ。そんなことは百も承知。ですが、それでも…」 「那月さん…」 「ケガが怖くて、クールでエレガントな試合ができるわけないでしょう?」 強い意志のオーラを漂わせ、語調を強める那月。 その迫力に、相羽やターニャも黙り込む。 「それにソフィー。たしかに私はあなたや和希よりも小さいですわ。…ですが、今の私は…あなたたちには、決して負けない」 那月が、ソフィーを強い視線で見つめる。 「…わかりました」 その視線を受け止めたソフィーが、那月を見つめ返す。 「そこまで言うなら、もう言葉は不要ですね」 「そうね」 「私と、試合をしてください」 「ソフィーさん!?」 相羽が驚いた様子で、思わず口を開く。 「でも、那月さんは今日退院されたばかりで、そんないきなり試合なんてっ…」 「いいですわ」 「那月さん!?」 「もう大丈夫だから、退院したんですわ。それに、こうなると思ってコスチュームを着てきたんですから」 言われてみれば、那月は試合用コスチュームを着ている。 「でも…」 「うむ。それでは、私が試合を裁こう」 「美冬さんまで!」 「相羽。那月がやれると言っている以上、問題はない」 「…はい」 ソフィーがコスチュームに着替えてから、道場のリングに上がるふたりと美冬。 そして、美冬の合図と同時に、試合を開始する。 「やっ!」 得意の逆水平チョップを連発する那月。 しかしソフィーもきっちりと受け止め、ヘッドバットを返す。 その後も基本技の応酬が続くが…。 「…くっ!」 不意にソフィーが繰り出したタイガードライバーで、那月の動きが止まる。 「やっぱり、那月さん、首がまだ…」 ソフィーがパワーと体格を生かして、フロントスープレックス、ラリアットの連打とたたみかける。 そして、ソフィーが那月を軽々と抱え上げ…パイルドライバー!! 倒れこんだ那月をソフィーが押さえ込み、美冬がカウントを数える。 1、2…。 那月が、ブリッジで返す! 「こんな、ものですか!」 そして跳ね起きた那月が、一瞬反応の遅れたソフィーの顔面に、鋭いエルボーを叩き込む! さらに掌底を連発するなか、ソフィーの身体がぐらつく。 それでもソフィーが蹴りを返す…が、那月がその蹴り足を捉え、一気に背後へと投げきる! 高角度のキャプチュード! 那月がソフィーを押さえ込み…ソフィーが跳ね返す! 「まだです!」 そしてソフィーが起き上がるや、身体ごと那月にショルダータックルでぶつかる。 しかし受けきった那月は、続けて身体を回転させながら…ソフィーの顔面を裏拳で撃ち抜く! エレガント・ブロー!! ゆっくりと崩れ落ちたソフィーの肩を、那月が押さえ込む。 1、2…3! 美冬がマットを3回叩き、勝負は決まった。 起き上がろうとするソフィーの前に、那月が膝立ちする。 ソフィーの右手が自然と前に伸ばされ…その手を、那月が受け取る。 「すごい試合だったねぇ~」 「うぅ…ふたりとも…ぐすっ、…すごいですっ…!」 なぜか拳を握り締めて涙を拭いながら、リング上の那月とソフィーを見つめている相羽。 「…うむ。やはりレスラーは戦いのなかでわかりあうものだな」 その横で美冬が、腕を組んだまま、じっと那月とソフィーを見据える。 その表情は、心なしか、ふたりの成長を喜んでいるようにも思えた。 リングを降りて来るふたりに、相羽とターニャがそれぞれタオルを手渡す。 「おつかれ~。なっきー」 「その呼び名はクールじゃないから止めろと言ってるでしょう!」 「おつかれさまです! ソフィーさん」 「ありがとう」 そこに美冬が歩み寄る。 「…それでは、那月はこれから大将ということで頼むぞ」 「任せてください」 「…任せましたよ」 那月とソフィーが見つめあい、軽く笑いあう。 「そしてソフィーは、先鋒に回ってもらう」 「はい」 ソフィーが頷く横で、相羽がびっくりした表情になる。 「え!? そ、それじゃボクは…ま、まさか、控えですか!?」 「何を言っているんだ? 相羽はタッグに回ってもらう」 「それじゃ、あたしとタッグだねー」 「…いや」 瞬間、場が「あれ?」という空気になる。 「えー? ターニャ、控えやだー!」 「タッグには相性というものがあるからな」 「え、でも、ボクと先生って、ほとんどタッグ組んだことないですけど…」 「誰が私がタッグに出ると言った」 「え、それじゃ、誰が…」 美冬が、一瞬扉のほうを見やる。 「相羽は、私の弟子とタッグを組んでもらう」 「せ、先生の、弟子!?」 ~つづく~ ------------------------------ …ということで、もうちょっとだけ続きます。 果たして、らぶぱー6人目のメンバーにして、先生の弟子とは? 予想を大きく裏切る新展開、明日更新予定! 【余談】 この第2話って、じつはまったく予定になかった話です。 構想当初は、第1話の冒頭から直接第2話のラストへつながる話でした。 …那月が、2日連続でケガしなければ!(苦笑) 何でしょう。評価値が1540を超えるたびにケガするのは「それ以上は那月には無理」ってことですか(笑)。 それでも行きますよ。 もうこうなったら、那月でどこまでできるか、というノリになってきまして。 目指すは真壁那月ランキング1位です! (↑そんなランキング設置されません) …というか、那月を育てている方をほとんど見た記憶がありません。 やっぱり、ゲストキャラ最弱としか思えないポテンシャルだからでしょうか(ほろり)。 パラメータ上限値や根性値って、 たとえば、 「1回引退してから再雇用すると1ずつ上がる」 (根性値上限9、各パラも攻防S・基礎C) といった仕様にならないかなあ…と思ってみた今日このごろ。 (現状、そういう仕様とは思えませんし…もしそうなら、さすがに発表している気もします) そうすると、もっとお布施つぎこむ人が間違いなく増えると思うんですよ!(ひどいな…笑) …とはいえ、そうすると耐久わざと上げずにケガ連発させて引退早めて輪廻転生というプレイが流行しそうだなあ、と思うので、 「引退転生を含めて、500試合ごとにパラメータ上限値や根性値が1ずつ上がる」 という仕様はどうでしょう。 …さらに酷い廃人養成仕様です。ごめんなさい(苦笑)。 ★ありがとうございます~。web拍手レスコーナー♪ ※同じ方と思われるレスも、内容ごとに分けてみました。 ☆大変だぁ~此処に83以上の人が沢山描かれている、崩壊のピンチかっ?! 霧子さんと美冬さんを見た時にそう思いましたよ(笑)続きが楽しみです しまったああ!!(笑) …ああ、いえ、だからサブキャラなんです…(苦笑)。 でもたしかにウチではかなり貴重な絵ですね。 ☆確かに『その他』技で決まる事なんてほぼ無いですもんね、体力残っている時に決まるのってよほど強い技の時ですもん、うちの藤島ちゃんのためにもその辺りは調整して欲しいなぁ>螢野光 なんというか、スモールパッケージホールドだと相手の体力無くても決まった試しがありません…。 ☆いえいえ、夢は大きくワールドカップですよ!それと漫画の解ってないターニャの表情がかわいいです(雷電) ワールドカップを目指すA~Bカップ軍団…小さくたって夢は大きく! ありがとうございます。 ターニャ、なんだか凄く描きやすいんですよね~。 ☆15周年イラストどうも有り難う御座います。 私のサイトもまた遊びに来て下さいまし。>樋蔵 いえいえ~。使いまわしですみません~。 ☆Bって、バストのサイズかと思った(血 このサイト見てると思考がエロに(←多分元から だからBが限界なのか!(違 ☆>越後! …さん、もそのうち…? 今は他の事を考えるな!越後さんのことが先決だ。君だけが頼りなんだ! たしかに、越後さんの誕生日をスルーしてしまった身としては…。 なんだかエロい越後さんを妄想できれば…。
by daiya-k
| 2007-02-26 03:44
| 愛
|
アピール中
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